シュー新館長が抱負 SFアジア美術館
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サンフランシスコを代表する美術館の一つ、アジア美術館の館長が今年6月、日系のエミリー・サノ氏から中国系のジェイ・シュー(許傑)氏に交代した。着任して間もないシュー氏だが、自身が思い描くアジア美術館を実現しようと意欲を見せている。
「美術館」。この一言にシュー氏の人生が込められているといっても過言ではない。上海大学で中国文学を学び、ニュージャージー州プリンストン大学では美術史と考古学を専攻した。そして1983年から25年間、古代中国美術など4000点を誇る上海美術館をはじめ、シカゴ美術館、シアトル美術館など世界中の美術館で働いた。
申し分のない豊富な経験を持つシュー氏。アジア美術館に対するこれからのビジョンを「儒教の教えに学び、深く考えることが重要。しかし大胆な発想も持つようにしている」とし、双方のバランスを考慮しつつ伝統的なアジア美術を軸に現代アートとの融合を目指したいと語る。
主に古代中国の青銅文化を学んだが、美術の幅広い知識の必要性も理解しており、アジア美術の定義についても寛容だ。文化地理学者たちが境界線を不自然に引いたため、国と国との美術の接点が失われたと憂い、「アジア美術の中に息づく奥深い感覚の可能性を認識するべき。日本の浮世絵がフランスの印象派に多大な影響を与えたように、何に影響され、何へ影響を及ぼしているのか、アジア美術をさらに探究しなければ」と抱負を述べた。
中国と日本の敏感な関係が、アートの世界に及ぼす影響については、「私たちは国を問わず、文化遺産の番人です。政治的な相互関係の変動で芸術の価値が左右されるべきではない」と強調。前任のサノ氏の国際主義的な考え方に賛同し、「異文化でもアートを通してつながっている」と話した。
1997年に著書「Art of the Houma Foundry」で、東洋美術学の分野で名高い島田賞を受賞。日本へは12回ほど旅行したことがあり、京都など、静かで趣のある場所が好きという。またベイエリアの風景の美しさや多民族文化が広く浸透しているところもこよなく愛し、日系コミュニティーとの交流、協力を楽しみにしているという。
シュー氏はまた、美術館の資金集めにも力を入れたいと話し、寄付の規模は近年減少ぎみだが、米国における芸術に対する資産家や企業のサポートはほかに類を見ないと指摘、寛大な慈善心に敬意を払った。
高い芸術性を維持しながら常に新しいもの、意外性のあるものを取り入れていきたいと展望を語り、2010年にひかえている、武士や茶道に焦点を当てた展示会が待ちきれないと笑顔で語った。(レフテリ・カファト)
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