Admin Menu

09 - 4 - 2009

6%DOKIDOKI 本物を感じてほしい 増田セバスチャンさんに聞く

Posted in
dokidoki.jpg ショップの入り口に立つ増田さん(左)とショップガールのユカさん

 原宿カルチャー、「カワイイ」カルチャーの最前線を走り続ける、マルチクリエーター、アーティストの増田セバスチャンさんは自らのショップ「6%DOKIDOKI」(本店・原宿)を、「表現の場」と言い現す。
 2年前、VIZピクチャーズの掘淵清治社長が店を訪れ、サンフランシスコに建設予定だった「NEW PEOPLE」への出店を打診された。最初は、それまでも頻繁にあった出店の誘いの一つかと思ったが、掘淵社長の「本当の日本の文化は、人を思いやること、小さいが積み重ねることで、繊細ながらきちっとしたものを作る文化だということを広めたい」という思いに共感した。
 最新の日本のカルチャーといえば、アニメを代表するいわゆるオタクカルチャーと認識されがちな今のアメリカで、「本当の日本のカルチャーの拠点を作りたい。これまでの認識を打ち破る突破口になってほしい」と言われた。
 1995年、「カワイイ」をコンセプトに、アパレル、アクセサリーを販売するショップ「6%DOKIDOKI」を立ち上げて以来、原宿カルチャーの第一線を走ってきたという自負はある。「アメリカに来たらどうなるのかすごく楽しみ」と思う半面、新しいカルチャーを違う国で定着させる困難も知っている。
 「僕が思っているアメリカは、カルチャーを掘り下げるというよりも、巨大なメインストリームが流れている国。原宿カルチャーは、自分たちで掘り下げて、工夫して新しい、いろんなものを生み出していく文化。それが果たしてアメリカで受け入れられるかと考えると、大変だなと思った」
 しかし、「まず啓発するところから始めよう」と決意し、今回の、9月15日までの期間限定の出店に踏み切った。

■多彩な切り口■

 やるからには、「リアルな原宿カルチャー、日本の持っているエネルギーをアメリカの人に見せたい」。
 先月15日の「NEW PEOPLE」のグランドオープニングではショップだけでなく、自ら企画、構成、演出、脚本を手掛け、ガールズバンドのパフォーマンス、「Girls Rock Explosion」や一般客を原宿ファッションに変身させる「Harajuku Makeover Contest」をステージで展開した。
 「ショップの中で見せられることは限界がある。イベントと組み合わせることでファッションには興味がなかったとしても、メッセージを届けられる。一つのことを見せるために切り口を変えた」
 その思いは、文化とはさまざまな顔を持つという考えが基になっている。
 「僕が若いときはカルチャーは細分化されていても、まとめて見ることができた。雑誌でも、演劇、アート、ファッションなど全部が載っていて、好きなものを選択できた。今は、インターネットでたくさんの情報があるにも関わらず、アニメならアニメしか見ないとか、(選択の幅が)どんどん小さくなっている。でもカルチャーはいろんなジャンルがあって、その中でいろんな人がメッセージを投げかけ、それを感じるチャンスがあるものだと思う。だから、原宿カルチャーを紹介する上でも、いろんなものがあるよというのを教えたかった」

■エラーから本物へ■

 サンフランシスコ店の入り口に作られた門には間違った漢字で「原宿」とつづられている。コンセプトは、「エラー原宿」。
 アメリカで断片的に紹介され、認識されてきた間違った原宿のイメージをまず見せる。それをくぐり抜け、店に入ると、コンセプトを体現するショップガールがいて、リアルな原宿が展開されるしくみ。「6%DOKIDOKI」のコンセプト「カワイイ」という単語も「原宿」同様に、知ってるアメリカ人も多いが、「知識」でなく本物を実感してほしかった。
 「英語にあてはまらないから、日本語のまま出るのかなと思う。(お客さんが)うちにきて、何かを感じてるっていうのがすごくある」
 今回の出店で、「このままの原宿で世界的に通用すると確信を持った」という。
 「これまで皆、マネーゲームに翻弄されていて、お金持ちが一番偉いみたいな風潮があった。テレビとかで、それが幸せの一番の形だよといわれると、皆そうなのかと思ってしまう。でも、経済システムが崩壊して、幸せの形は、人それぞれだと、何となく気付き始めた。そこに、例えば『カワイイ』というカルチャーが、小さい中に小さい小宇宙があって、その中に自分の価値観を収めるのも幸せの形だとちょっと気付き始めた」
 そして、ストレートに、新しいもの、おもしろいものとして認識、評価してくれている実感を得て、自信が持てた、という。
 「海外に住んでいるからお分かりだと思うんですけど、日本の文化ってすごくいい。外国にいくと、なおさらそれが浮き彫りになる。でも、日本にいると、それが分からない」
 だから、日本人は自信を失い、へりくだりすぎて、オリジナリティーを自ら削ってしまう。
 「こうやって海外に出て来て、きちんと評価を受けているんだよというのを、日本に持って帰って、『自分たちはこのままでいい、むしろ日本の文化を掘り下げることによって、もっと世界に通用する文化になる』ことを伝える入り口になれると思う」
 11月にはパリで、美術館の招きでショーを開く予定。また、来年のカナダのバンクーバー五輪に合わせ、本当の日本のカルチャーを紹介する企画も進んでいる。

(田中真太郎/写真・齋藤大貴)

Subscribe to Hokubei

You can see more if you subscribe to this site to view content. If you already have a subscription, log in.
Subscriptions can be taken out via Paypal for a week, one month or 3 months at the following rates:
1 week: $5.00
1 month: $15.00
3 months: $40.00

If you have not already subscribed or if you have not first registered, create an account with your email, then subscribe to the paper.

All text, graphics, articles & photographs: © 2006-2008 Hokubei Mainichi, Inc. All rights reserved