11 - 4 - 2006

003 今、行きている命

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 ロサンゼルスの郊外、サンバレー仏教会で映画会を終えての帰り道、自動車事故に遭ってしまった。1963年5月ごろ、夜の11時ごろだったと記憶している。
 どんな映画を上映したかは忘れてしまったが、子供も大人も喜んでくれた楽しい映画会だった。セロリやストロベリー、カーネーションなどを主に作る農業を営む人々が集まり、憩いのひとときだった。
 ロサンゼルスに帰ろうと、フリーウエーに乗った時、振動で、助手席に載せておいた映写機が私の方に倒れてきた。ハンドルを取られ、直進車が左側面に衝突、右側にはじき飛ばされた。さらに、右側から走ってきた車にも衝突され、はね飛ばされるという二重の事故。あっという間の出来事だった。
 相手方も私もけががなかったのが不思議なほど、車は前方も側面も大破していた。相手の2人は、マシンガンのような速さで、英語で怒るのだが、当時の私には、幸か不幸か何も分からず、チンプンカンプンの状態だった。とにかく、免許書と車の保険の番号を書き写し、お寺に帰ったのは、夜中の1時半頃だった。明日、上司にどう説明しようか、しかられるに違いない、と心配しながら眠りについた。
 朝、英語学校に行こうと立ち上がった瞬間、めまいを起こし倒れてしまった。後で聞いた話では、隣の部屋のドアを叩き、倒れてしまったようだ。目が覚めたところは、病院だった。先輩が心配顔で、ある人物の写真を見せるのだが、記憶もなく、考えても解らなかった。3日後、その写真が母であることが分かり、ずっと記憶喪失だったことに驚いた。
 1週間ほどで退院し、再び学校と仕事に精を出すことが出来た。幸いにもこの記憶喪失騒ぎで自動車事故に関しては、しかられずに終わってしまった。
 何が起こるか解らない生活の中で、今、生きて、息をついている生命があることをありがたく、深く心に感じる。
合掌

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