11 - 15 - 2008

061 アジア系大統領はいつ?

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 オバマ当選の速報が掲載された11月5日、朝日新聞の夕刊を見ると、白人男性の55%、白人女性の51%がマケインに投票、黒人男女の96%がオバマに、また、ヒスパニック男性の65%、ヒスパニック女性の70%がオバマに投票とあり、アジア系の数字が出ていない。
 CNNの出口調査をインターネットで検索してみると、男女比は示されていないが、アジア系の62%がオバマに投票している。
 アジア系700万の浮動票は選挙の鍵を握るとも言われたが、アジア系だけでなく、ヒスパニック系およびその他の少数派が60%以上、オバマに票を入れたことが勝因だったとみていいと思う。
 アメリカ人の次の関心事は「女性大統領はいつ」だろうが、アジア人としては、「アジア系大統領はいつ」も気になる。
 フィクションの世界ではすでに日系の大統領が誕生している。漫画家のかわぐちかいじが1998年から2001年にかけて「ビッグコミック」に連載していた「イーグル」である。ニューヨーク州選出の民主党上院議員、ケネス・ヤマオカが、幾多の困難を乗り越えて予備選挙を勝ち上がり、最後には大統領になるストーリーだが、展開にさほど無理がなく、アメリカの大統領がどのように選ばれるのかも、よく分かる構成になっている。何十年後かにはアジア系が大統領になる可能性は十分あると私は思う。
 この漫画の中で、唯一実名で登場する人物がいる。第二次大戦当時、コロラドの州知事だったラルフ・カーである。日系人への迫害が各州で強まる中、カー知事は日系人に対して「不安なくコロラド州へ来たれ」と呼びかけた。この精神が、移民国家アメリカの精神なのだ、とヤマオカは聴衆に訴えている。
 オバマの「ひとつのアメリカ」も、ヤマオカがいう「移民国家アメリカの精神」と軌を一にするものだろう。
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■すどうたつや 学生時代に東南アジア研究を専攻。1980年代半ば、ロサンゼルスのイースト・ウエスト・プレーヤーズでアジア系アメリカ人俳優による芝居を見て、アジア系アメリカ文化に関心を持つ。過去10年ほど、SF国際アジアン・アメリカン映画祭に参加している。99年に「アジア系アメリカ人研究会」を立ち上げ、年に数回、東京で例会を開催。現在、都内の大学で英語を教えている。

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