「ユメ十夜」上演 10日から4スターで 漱石の短編を映画化
Posted in サンフランシスコの4スター・シアター(2200 Clement St.)では10日(金)から、夏目漱石の「夢十夜」を、著名監督たちが映像化させたオムニバス映画「ユメ十夜」(2007年、100分、英題「Ten Nights of Dreams)を公開する。
原作は1908年に朝日新聞に連載された「こんな夢を見た」で始まる10話の短編で、時空を超えた不思議な夢の話が展開される。「ユメ十夜」はそれを、実相寺昭雄、市川崑、清水崇、清水厚、豊島圭介、松尾スズキ、天野喜孝、河原真明、山下敦弘、西川美和、山口雄大の11人(第7夜は監督2人が担当)のベテラン、若手織り交ぜた監督たちが、それぞれ独自の解釈で映像化したもので、出演も小泉今日子、松山ケンイチ、山本耕史、市川実日子など豪華な顔触れがそろった。
時代だけでなく、ドラマ、ホラー、コメディー、ミュージカル、3Dアニメーションとジャンルにも捕われず、クオリティの高い作品がそろってる。
松尾監督の「第六夜」では、運慶が仁王像の頭を彫るというので、人が集まったが、現れた運慶はロボットダンスを始める。設定は明治らしいが、松尾監督らしく、インターネットの書き込み言葉の「キター」「萌え」といった現代言葉をちりばめ笑わせながらも、「祭りのあと」のようなしんみりとした後味を残す。
数々のマンガを実写化してきた山口監督が、その才能を存分に発揮するのは「第十夜」。醜い女性を次々に殺害している庄太郎はある日、美女に不思議な場所にいざなわれる。見た目のきらびやかさばかりしか目に入らない庄太郎に、美女は自分の本当の姿を見せる。マンガのようなカット割りとスピーディーな展開が非常に魅力的で、10話の中でも異彩を放つ。
ほかにも、市川、実相寺監督のようなしっとりと見せるもの、清水崇のホラーといったテイストがまったくことなるものも並び、見ていて飽きない。
通常ならば、コンティニュイティ、設定に捕われるところだが、ベースは夢であり、制約がなく、本当の意味で自由であることで、むしろそれぞれの監督のテイスト、技量が存分に発揮されているのが非常によく分かる。
詳細は☎(415)666—3706まで。
(田中真太郎)

